ピア・マリーネ
Pia-Marine

――海に抱かれし幻想の都、静かに揺蕩う水上の楽園――
魔法と潮騒が織り成す、祈りと祝福の青の都市――
ここは、訪れる者の五感を包み込む、悠遠の海幻世界。
《ピア・マリーネ》は、水の魔力を源とした技術と古代海洋文化が融合した、水上に築かれた多層構造の幻想ピア。
街路の代わりに水路が張り巡らされ、中央から湧き出る聖なる噴水の水は魔力を帯びて四方へ流れ、ピア全体に生命と静謐をもたらしている。水上の町並みの下には、古代の遺構と魔法の名残が残る「沈みの街」が広がり、上下二層にわたってピアは時を重ねている。
このピアの食文化は、海からの恵みを最大限に生かした繊細で香り高いもの。
浜辺で採れる果実と香草、新鮮な魚介を使った料理は、魔法による調理法とともに日常を豊かに彩る。地元の人々は干し魚や貝のスープを常食とし、祝祭の日には水晶の器に盛られた冷製料理や、波紋のように広がる光るリキュールが振る舞われる。
建築は石造と木造が調和し、水面に浮かぶ建物と水中に沈む神殿が一体となった構造を成している。ゴンドラが行き交う穏やかな水路、浮遊する灯火、魔力によって波打つ鏡面のような床。空を仰げば、リヴァイアサンの加護により、水面が空と繋がるような幻想的な錯覚に包まれる。
このピアの記念日は8月30日。
その日、ピアの中心にある大噴水は空高く魔力の水柱を立ち上げ、 《ピア・マリーネ》が煌めく水光に包まれる。 住民たちは水の祝福を謳い、波の音とともに、今ここに生きる奇跡を讃えるのだ。