トキノミヤコ

Capital of Time

トキノミヤコ

――時を分かちし境界の都、陰と陽が交差する記憶の世界――

魔法と技術がせめぎ合う、古と未来の交わる調律ピア――
ここは、流れる時間すらも抱擁する、永遠の時幻世界。

《トキノミヤコ》は、陰陽の勾玉を象るように、東西で異なる時を生きる対極のピア。
高くそびえる白壁の内側、片や深緑に覆われた古の里、片や砂漠に浮かぶ近未来都市。
はずれに立つ鳥居は、過去と未来の狭間をつなぎ、くぐるごとに時代を遡る神域の門となる。

東部の里には、木造家屋が整然と並び、桜とイチョウが四季を彩る。
そこに生きる人々は、湖の水に宿る命を受け取り、陰陽師が操る式神とともに穏やかな暮らしを営む。
青く灯る鳥居の炎は、悪しきものを払い、神域を守る結界のように静かに燃えている。

一方、西部は未来都市を中心とする、砂上に築かれた高層都市国家。
ガラスと鋼の街には情報のモニターが灯り、空を行き交う転移装置が人々を導く。
技術が生み出す人工の自然には公園や水辺もあり、都市機能は全て空中に収められている。
食事や住まいさえも配給と自由が選べるこの地では、機械と共に生きる豊かな生活が育まれている。

この都の食文化は、米を主としながら地域に根差した個性を持つ。
北では精進料理のように質素ながら奥深い和食が振る舞われ、
西では粉物やアレンジされた料理が近未来の食卓を彩る。
伝統と革新、二つの味がこの都市の時間軸を物語る。

建築は、木と風の古き里と、鉄と光の未来都市。
神社と社が連なる静寂の風景と、モニターが情報を映す空中都市が、
まるで陰陽のようにバランスを取りながら、共にこの都を形作っている。

この都の記念日は4月26日。
年に一度の祭りでは、湖の水が増し、陰陽の力が満ちると伝えられている。
木造の街に響く祭囃子と、色とりどりの和傘の行列。
人々は陰と陽の調和に祈りを捧げ、《トキノミヤコ》に生きる喜びを讃えるのだ。